金曜日の恋人〜花屋の彼と薔薇になれない私〜
四
ひと月ぶりに会う美香は芳乃を見て、少し驚いたように目をみはった。美香は奥様会のメンバーのなかではおとなしいほうで、芳乃と同じくいつも聞き役に徹している子だ。
「前回も思ったんだけど、芳乃さん、最近少し雰囲気変わったよね」
「そう?」
「うん……あ、お洋服のせいかも!」
美香は納得したように、うんうんとうなずいた。
「そういう少しカジュアルな服装のほうが似合うのね。すごくいいと思う」
芳乃のワードローブはワンピース、ハイゲージのニット、ミディアム丈のスカートなどのいかにもコンサバなものばかりだったのだが、最近少しカジュアルな服を買い足した。これまでの服だと、あのファミレスで浮いてしまうからだ。
今日もざっくりとしたブルーのニットに細身のデニムを合わせていた。自惚れかもしれないけれど、自分でもこっちのほうが似合うような気がしている。カジュアルなほうが顔の地味さが目立たないように思うのだ。
「服のせいだけじゃないと思うわ」
あでやかな笑みを浮かべたのは里帆子だ。
「芳乃さん、綺麗になったもの。お肌とか髪とかツヤツヤしてる」
「やっぱり、里帆子さんもそう思う?」
里帆子が同調してくれたのが嬉しかったのか、美香はウキウキした様子で話を続ける。
「化粧品とか変えたの? オススメあったら教えてよ、芳乃さん」
「前回も思ったんだけど、芳乃さん、最近少し雰囲気変わったよね」
「そう?」
「うん……あ、お洋服のせいかも!」
美香は納得したように、うんうんとうなずいた。
「そういう少しカジュアルな服装のほうが似合うのね。すごくいいと思う」
芳乃のワードローブはワンピース、ハイゲージのニット、ミディアム丈のスカートなどのいかにもコンサバなものばかりだったのだが、最近少しカジュアルな服を買い足した。これまでの服だと、あのファミレスで浮いてしまうからだ。
今日もざっくりとしたブルーのニットに細身のデニムを合わせていた。自惚れかもしれないけれど、自分でもこっちのほうが似合うような気がしている。カジュアルなほうが顔の地味さが目立たないように思うのだ。
「服のせいだけじゃないと思うわ」
あでやかな笑みを浮かべたのは里帆子だ。
「芳乃さん、綺麗になったもの。お肌とか髪とかツヤツヤしてる」
「やっぱり、里帆子さんもそう思う?」
里帆子が同調してくれたのが嬉しかったのか、美香はウキウキした様子で話を続ける。
「化粧品とか変えたの? オススメあったら教えてよ、芳乃さん」