七色の魔法使い#5~不滅の愛を詩に乗せて~
あれから1週間。僕は、気分転換にフォルトゥナにある森を歩いていた。
「……冬都」
空から声がして、僕は声がした方を見る。太い木の枝にアイビーが座ってて、アイビーは木から飛び降りて僕の目の前に着地した。
「……冬都には、話さなければならないことがあります……僕について来てください」
アイビーは僕に背を向けると、歩き始める。僕は、アイビーの後をついて歩き始めた。
アイビーは、とある場所に着くと立ち止まる。木に囲まれた広場には小さな湖があって、色んな花が咲いていた。
「……僕がまだ5歳の頃、当時6歳だった女の子とここで出会いました……僕は両親に捨てられて、ずっと森を彷徨い続けました。しかし、ここに来た時に倒れてしまいまして……気が付いたら、女の子……ソラというのですが、彼女は心配そうに僕を見てました……彼女は、僕に名前を聞いてきました……しかし、僕は名前がありませんので……正直に話しました。名前がないこと、両親から捨てられたこと」
アイビーは、そう言って花を摘み始める。
「そうしたら、ソラは僕の名前を考えてくれました。ソラからもらった名前が、アイビーです。ソラは、色んな遊びを教えてくれたり食べ物をくれたりしてくれました……」
アイビーは、摘んだ花で何かを作り始めた。