契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
プロローグ
それはひどく甘いキス。
離れては吐息が混じり、また唇が重なる。柔らかく食まれゆっくりと目を開ければ、炎のように燃え滾る熱い瞳とぶつかった。
「かわいい……」
口づけの合間に何度も囁き、指先に絡みついた私の髪を弄んで搔き乱す。
深まる口づけに息苦しさを感じ、僅かに開けた唇の隙間から熱い舌が忍び込んできた。
舌の付け根から先までを絡めるように吸い付いて、私の体を抱きしめながら腰に手を回し入れる。
骨ばった指は触れるか触れないかの距離で肌を這い、感じる悦びに背中がしなって浮いた。
「……んっ」
自分でも知らなかった自分を知らしめられて、自分の口から漏れる艶っぽい声に戸惑いは隠し切れない。
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