契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 そんな私の思いもよそに、大吾さんはベッドの上に私を降ろす。そのまま自分も上がると、仰向け状態の私を組み敷くように覆いかぶさった。

「な、何をするつもりですか?」
 
 そんなこと聞かなくてもわかるというもの。それなのに身体は勝手に震えだす。

 でもそれは怖いからじゃない。二か月前のことを思い出し、この後に起こるであろう艶事に身体が熱を帯び始めたから。

「煽った八重がいけない」
 
 私の髪を掻きあげ、首筋に落とされた口づけに熱い吐息を吐く。

「あ、煽ってなんか……んっ」
 
 こんなところにも性感帯があるのだと二か月前に知った耳を甘噛みされると、艶っぽい嬌声が部屋中に響いた。

「八重が欲しい……」

もうダメだ。

 そんなことを言われたら、もう気持ちを抑えることはできない。一度疼いてしまった私の身体は、大吾さんを欲してしまっている。

 あっという間に身ぐるみを剥がされて、肌と肌が重なり合う。深く重なる唇に身体は勝手に反応し、大吾さんの指が肌を這うと身体の一部が潤いはじめたのがわかった。



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