契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
「斎藤さんも、お続けくださいとか無責任なこと言わないでください!」
大吾さんの腕の中からひょこりと顔だけ出して斎藤さんにそう訴えてみたが、彼は聞こえない振りをして何も答えてはくれない。
「この期に及んで何をしている。そろそろ観念したらどうだ?」
「観念なんて……」
こちらを向いていないとはいえ、斎藤さんがいるのに観念なんてできるはずない。なのに大吾さんは腰に左手を回し入れ、私をグッと引き寄せた。ハッとして顔を上げると、大吾さんがニヤリと笑う。
「冗談だ。いや、半分本気だったが、顔を赤く染める可愛い八重を斎藤に見せるのは癪だからな」
「な、なんですか、それ……」
からかうのもいい加減にしてくださいと言おうとしたとき、私の左頬に大吾さんの手が触れる。「えっ?」と思った瞬間、右頬に彼の柔らかい唇が触れた。
斎藤さんに気を使ったのか、そのキスはただ優しく触れただけ。それでも、たったそれだけの行為でも、そこから徐々に熱が帯びていき全身が熱くなる。
「もうそろそろよろしいですか?」
「は、はあいっ!」
斎藤さんがいることを忘れていて、返事がおかしなものになってしまう。別の意味で顔が熱くなり、恥ずかしさから俯いた。
その後、大吾さんと斎藤さんのふたりが大笑いしたのは言うまでもない。
大吾さんの腕の中からひょこりと顔だけ出して斎藤さんにそう訴えてみたが、彼は聞こえない振りをして何も答えてはくれない。
「この期に及んで何をしている。そろそろ観念したらどうだ?」
「観念なんて……」
こちらを向いていないとはいえ、斎藤さんがいるのに観念なんてできるはずない。なのに大吾さんは腰に左手を回し入れ、私をグッと引き寄せた。ハッとして顔を上げると、大吾さんがニヤリと笑う。
「冗談だ。いや、半分本気だったが、顔を赤く染める可愛い八重を斎藤に見せるのは癪だからな」
「な、なんですか、それ……」
からかうのもいい加減にしてくださいと言おうとしたとき、私の左頬に大吾さんの手が触れる。「えっ?」と思った瞬間、右頬に彼の柔らかい唇が触れた。
斎藤さんに気を使ったのか、そのキスはただ優しく触れただけ。それでも、たったそれだけの行為でも、そこから徐々に熱が帯びていき全身が熱くなる。
「もうそろそろよろしいですか?」
「は、はあいっ!」
斎藤さんがいることを忘れていて、返事がおかしなものになってしまう。別の意味で顔が熱くなり、恥ずかしさから俯いた。
その後、大吾さんと斎藤さんのふたりが大笑いしたのは言うまでもない。