契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
なんでキスされているの──。
驚きのあまり目は大きく見開いたまま。彼も目を開けていて、その瞳には私がはっきりと映っている。それだけでも恥ずかしさから気が遠くなりそうなのに、男性は微笑を見せると私の唇を食みチュッと音を立ててそれを離す。
身体中の血が湧き上がってきたかと思うほど顔は熱く、心臓は激しく鼓動を打ち息が苦しい。
「今の君の悲しみも、忌々しい過去も、僕が全部忘れさせてあげる」
甘く囁かれた言葉は、私の寂しい部分を刺激して惑わす。
本当に全部忘れさせてくれるのならと思う身を任せてしまいそうな自分、このまま流されてしまっていいのかと躊躇する自分。そんな相反するふたりの自分の間で押し問答、でもその答えは思っていたよりも意外と簡単に出てしまう。
彼になら抱かれても、きっと後悔しない──。
そんな確証も何もない不確かな思いが、私を突き動かす。ベンチから立ち上がり男性に真正面から向かい合うと、俯きながら身体を寄せ彼の背中に腕を回し入れた。
その瞬間、彼の身体が硬くなる。でもそれも一瞬のことで、彼は優しく私を抱きしめた。
驚きのあまり目は大きく見開いたまま。彼も目を開けていて、その瞳には私がはっきりと映っている。それだけでも恥ずかしさから気が遠くなりそうなのに、男性は微笑を見せると私の唇を食みチュッと音を立ててそれを離す。
身体中の血が湧き上がってきたかと思うほど顔は熱く、心臓は激しく鼓動を打ち息が苦しい。
「今の君の悲しみも、忌々しい過去も、僕が全部忘れさせてあげる」
甘く囁かれた言葉は、私の寂しい部分を刺激して惑わす。
本当に全部忘れさせてくれるのならと思う身を任せてしまいそうな自分、このまま流されてしまっていいのかと躊躇する自分。そんな相反するふたりの自分の間で押し問答、でもその答えは思っていたよりも意外と簡単に出てしまう。
彼になら抱かれても、きっと後悔しない──。
そんな確証も何もない不確かな思いが、私を突き動かす。ベンチから立ち上がり男性に真正面から向かい合うと、俯きながら身体を寄せ彼の背中に腕を回し入れた。
その瞬間、彼の身体が硬くなる。でもそれも一瞬のことで、彼は優しく私を抱きしめた。