契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
約束の時間は十時。腕時計で時間を確認すると、時刻は九時四十五分とちょうどいい時間。敷地内に入る前に深呼吸をしてスーツに乱れがないかチャック、いざ出陣と勇んで歩き出した。
直接社長室まで──そう書かれていても、やはりそれは気が引ける。一歩間違えれば不審者だと思われても仕方ないと、まっすぐ受付へ向かった。
きれいな花が飾ってある受付には女性がひとりいて、私が近づくと立ち上がり丁寧に頭を下げた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
さすがは国内最大手の酒造メーカーだけあって、受付嬢の教育もしっかりされているなと思わず見入ってしまう。
「あ、あの……」
女性が不審そうな顔をしているのに気づき、慌てて送られてきた書面を見せた。
「天海と申しますが、入社の件で話があるから来てほしいと言われまして。直接社長室まで来るようにと書いてあるのですが、どうしたらいいでしょうか?」
直接社長室まで──そう書かれていても、やはりそれは気が引ける。一歩間違えれば不審者だと思われても仕方ないと、まっすぐ受付へ向かった。
きれいな花が飾ってある受付には女性がひとりいて、私が近づくと立ち上がり丁寧に頭を下げた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
さすがは国内最大手の酒造メーカーだけあって、受付嬢の教育もしっかりされているなと思わず見入ってしまう。
「あ、あの……」
女性が不審そうな顔をしているのに気づき、慌てて送られてきた書面を見せた。
「天海と申しますが、入社の件で話があるから来てほしいと言われまして。直接社長室まで来るようにと書いてあるのですが、どうしたらいいでしょうか?」