契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
「まあいい。そんなことより、今日来てもらったのは他でもない。八重お前さっき、あの日逃げたことを謝ったよな?」
「はい。もう一度ですか?」
「いや、謝ってほしいと思っていたわけじゃない。あの日のことは、同意があってのことだと俺は思っている。なにも八重ひとりが悪いわけじゃないだろう。でも……」
大吾さんはそこまで言うと、私から離れ歩き出す。デスクの上にある書類を一枚手にし、私の前に戻ってきた。
「八重がそこまで言うなら、責任、取ってもらおうか」
そう言って見せられたのは……。
「婚姻届け!?」
なんでいきなり、婚姻届けが出てくるの? しかも夫となる人の名前を書く欄には、黒のボールペンではっきりと【菱川大吾】と記入してあるから驚くしかない。
「これは一体、どういうことですか?」
「妻になる人──のところに、八重の名前を書いてほしい」
用紙のその部分を、トントンと指をさす。お届け物にサインくださいと言わんばかりの作業のような状況に、何を勝手なことをと驚きを通り越して笑いがこみ上げた。
「はい。もう一度ですか?」
「いや、謝ってほしいと思っていたわけじゃない。あの日のことは、同意があってのことだと俺は思っている。なにも八重ひとりが悪いわけじゃないだろう。でも……」
大吾さんはそこまで言うと、私から離れ歩き出す。デスクの上にある書類を一枚手にし、私の前に戻ってきた。
「八重がそこまで言うなら、責任、取ってもらおうか」
そう言って見せられたのは……。
「婚姻届け!?」
なんでいきなり、婚姻届けが出てくるの? しかも夫となる人の名前を書く欄には、黒のボールペンではっきりと【菱川大吾】と記入してあるから驚くしかない。
「これは一体、どういうことですか?」
「妻になる人──のところに、八重の名前を書いてほしい」
用紙のその部分を、トントンと指をさす。お届け物にサインくださいと言わんばかりの作業のような状況に、何を勝手なことをと驚きを通り越して笑いがこみ上げた。