契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました

「男の人って、少しでも若い女の子のほうがいいのかな」
「さあ。世の中の男が全員そうだとは限らないと思うけど」
 
 小梅はよくわからないとでもいうように首を傾げ、レモネードを一気に飲み干した。
 
 私だって、できることなら出席したくない。でも同じ課の直属の先輩後輩の関係であって、断る理由が見つからないのだ。

「どうしても辛くなったら、気分が悪いからって席を外すよ」
 
 元カレの結婚式に出席する。それがどういうことなのか、わからない私じゃない。

 小梅が心配するのも、きっと私を思ってのこと。どんな理由があるにせよ祝いの場に新郎の元カノが顔を出すなんて、常識を逸脱している行為なのも重々承知している。
 
 それでも出席を決めたのは、私を見て元カレがどんな顔をするのか見てみたい──そんな、もうひとりの醜い私がいるから。

「私は出席しないほうがいいと思うけど。八重、後悔するよ」

 小梅の言葉が、私の胸にやけに重くのしかかった。





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