契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
「ああ、言った。何か問題でもあるのか?」
「問題と言われても……」
“偽装”の二文字が頭の中をよぎる。大吾さんは落ち着いているけれど、問題ありと思っているのは私だけなんだろうか。
自分の中で一線を画そうとしているのに、ずっとなんて言われたら勘違いしてしまいそうになる。大吾さんのこういう発言は天然なのかもしれないけれど、なんの気なしに言われたこっちは対応に困ってしまう。
本当にずっと一緒にいたら、困るのは大吾さんのほうだと思うけれど……。
ため息をつきながら肩を落とし、大吾さんから視線を逸らすように俯く。でもすぐに顎を掴まれ上を向かされたと思ったら、元の位置へ戻されてしまった。
「顔をそむけるな、まっすぐ俺を見ろ」
濁りのないガラス玉のような瞳で心の中までも見透かすように見つめられ、危うく吸い込まれそうになるのをなんとか回避した。
「偽装結婚だからずっとじゃないと思っているのなら、それは間違いだ。偽装だろうとそうでなかろうと、ずっと一緒に暮らして何が悪いと言うんだ?」
「でも私たちは恋人同士じゃない──」
「だったら、今から恋を始めればいい」
「問題と言われても……」
“偽装”の二文字が頭の中をよぎる。大吾さんは落ち着いているけれど、問題ありと思っているのは私だけなんだろうか。
自分の中で一線を画そうとしているのに、ずっとなんて言われたら勘違いしてしまいそうになる。大吾さんのこういう発言は天然なのかもしれないけれど、なんの気なしに言われたこっちは対応に困ってしまう。
本当にずっと一緒にいたら、困るのは大吾さんのほうだと思うけれど……。
ため息をつきながら肩を落とし、大吾さんから視線を逸らすように俯く。でもすぐに顎を掴まれ上を向かされたと思ったら、元の位置へ戻されてしまった。
「顔をそむけるな、まっすぐ俺を見ろ」
濁りのないガラス玉のような瞳で心の中までも見透かすように見つめられ、危うく吸い込まれそうになるのをなんとか回避した。
「偽装結婚だからずっとじゃないと思っているのなら、それは間違いだ。偽装だろうとそうでなかろうと、ずっと一緒に暮らして何が悪いと言うんだ?」
「でも私たちは恋人同士じゃない──」
「だったら、今から恋を始めればいい」