【完結】吸血侯爵と没落メイドの囚われ初恋契約

 憤った王太子は一方的に婚約破棄を、諸外国の来賓も集う王家主催の夜会で公爵令嬢に叩きつけたのである。

 しかし、それを王家が許すはずもなく、王は速やかに王太子を廃嫡、平民へと降格させた。マリアは拘束され、さらに公爵家からの怒りを晴らすため、ハーミット家から何もかもを取り上げることにしたのだ。

 領地も屋敷も何もかも、ハーミット家の持つ財産、権利、関係者からは全て奪った。領民や働く使用人には罪はないと、領地はまるごと王家が引き取り、使用人は方々に散らせる形で他の職場へと斡旋をし、マリアの管理が出来なかった男爵と夫人は、僻地へと追いやられることとなった。

 そして残ったルネリアは、王都にて放っておかれた。王家がハーミット家からあらゆるものを奪ったために、修道院へ入れるよりも関わらない選択のほうが酷であると、そう判断したのである。
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