自由になりたい①
「...ほんでね、死ねるって思った瞬間君の顔が浮かんで、その顔を見て私は、死んじゃいけないって思った。それで自分に死ぬなって祈ってたら、結果この通り、死なんかったんよ!」
私は両手を広げてみせた。
「すごくない?」
そう聞いたが、彼女はいつのまにか俯いていて、表情は見えないし、返事も返ってこない。しかも、手が微かに震えている。
「...どうしたん?」
急な変わりように戸惑っていると、
「なんで...」
「...?」
「なんで祈ったの...?」
「え...?」
言っている意味がよくわからない。なぜ祈ったか?それは、死んではならないと思ったからだが、それがどうかしたのだろうか。
「私のために...私のためだけに生きようと思ったの!?死んだ方がこの苦しみから逃れられるのに...!!」