フェアリー・ロマンス~転生したら妖精の赤ちゃんに!?~
私は、コクりと小さく頷いた。
緊張で言葉が出てこない。
それにキョウ様の微笑みの破壊力は、凄過ぎる。
間近で見るキョウ様は、本当に綺麗だった。
動くたびにサラッと流れる白銀の髪は、絹のように細く美しくキラキラと光る。
透き通るような白い肌。
切れ長の美しいグレーの目は、吸い込まれそうになるぐらいに惹き付けられた。
鼻筋も高く整った端正な顔立ちは、やはり神様ではないのか?と思わせるほど神秘的だ。
神々しいオーラもそう思わせる。
これを間近で見たら誰もが圧倒されて、息を呑み言葉にはならないだろう。
「今、いくつになった?」
「5カ月になりました。
もう少しで6ヶ月目に入ります」
「ほぅ……もう5カ月か。早いものよのう」
キョウ様の質問に対して、代わりにルイが答えた。
それを聞いたキョウ様は、感心するが……。
すると私をもう一度見るとクスッと微笑まれる。
「今日は、調子が良くてのう。カレン。
私と一緒に散歩でもするか?」
えっ……!?
私もルイ達も一瞬硬直する。
ほ、本気で言ってますか?キョウ様……。
それに対して、ちょっと慌てたようにするルキア様だった。
「キョウ様、お身体に障ります。大丈夫ですか!?」
ルイも慌てていた。
それもそのはずだ。なかなか外に出ない方なのだ。
しかも私も一緒だから余計にだ。
だがキョウ様は、フフッと楽しむように笑う。
「心配するではない。今日は、調子がいいと言ったであろう?
それに、部屋ばかりでは退屈でのう。
たまには、日に当たりたいと思っていたところだ。支度を……」
「は、はい」
ルキア様は、急いで立ち上がる。セイ様も。
そしてキョウ様に長めの羽織りを肩にかけてあげた。
ルイとシンは、心配そうに私を見ていた。
その私は、必死にルイ達に訴えかけた。
失敗したらどうしよう……と。
しかし心配も虚しく私は、散歩をすることになった。