フェアリー・ロマンス~転生したら妖精の赤ちゃんに!?~

「では、まず赤いおはじきを出して下さい。
 この赤いのをリンゴとします。
では、まずリンゴが5個ありました。
 するとお母さんからリンゴを1個貰いました。
さて、いくつになったでしょうか?」

 黒板には、赤いリンゴのマグネットが貼られていた。
おはじきだと数えやすいから便利がいいわね。
 答えは、簡単。6個ね!

 私は、得意気に赤いおはじきを出して6個にした。
チラッと見ると煌君は、また外を見ていた。
 でも算数セットは、出しているから、やったのかな?
私は、クスクスと笑う。

「さて、誰に答えてもらおうかしら?」

 すると分かった生徒達は、元気よく手を挙げた。
私も挙げようか悩んでしまう。
 当てられて答えるのが恥ずかしいし……。

「あら?オーベロンさんは、難しかったかしら?」

「あっ……いえ。わ、分かりました……」

 急に小山先生が、こちらを見て言ってきたので私は、恥ずかしくなる。モジモジしてしまう。
 しかし小山先生は、ニコッと微笑んできた。

「じゃあオーベロンさんに答えてもらおうかしら?
 大丈夫よ~もし間違えても構わないから」

 えっ?私……!?
間違えてもいいと言われても恥ずかしいよ……。
 私は、モジモジしながら立ち上がった。

「えっと……6個です……」

 小さな声で答えを伝えた。
すると小山さんは、ニコニコしながら拍手をする。

「正解です。オーベロンさん、よく出来ました!
皆さんも拍手をしてあげましょう」

 そうしたら皆が拍手をしてくれた。
凄いと褒めてもくれた。
 答えられて当然なのだが、何だか恥ずかしくも嬉しくなった。

 ドキドキしながら椅子に座るとチラッと後ろを見る。
すると煌君は、外を見るのをやめてこちらを見ていた。
 わぁー見られちゃった!!
私は、余計に恥ずかしくなり慌てて前を見た。
 うぅっ……穴があったら入りたい。

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