悲しい夜は、何度だって君に会いに行く
「えっ……!」


外に傾いていたわたしの体は180°回転して、何が起きたか分からなかった。


──ドサッ!


わたし落ちたのははるか下の地面ではなく、屋上のコンクリートでもなく、わたしの手を引っ張った誰かの体の上だった。


暗闇でその人の顔はよく分からないけど、男の人だということは分かった。


ここまで走ってきてくれたのか、彼の息は上がっている。
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