最終列車が出るまで
値段を見て、ちょっとびっくりする。あれ、スーパーと値段が変わらない!?だいたいの商品が、スーパーよりコンビニの方が高くなるのに。
悩む前に手が出ていた。何となく、赤いパッケージのチョコレートを選ぶ。
レジで会計をして、レジ袋は断った。チョコレートはバッグに入れ、ウ○ンの力は、コートのポケットに入れた。
さすがに、その場で飲み干す勇気はない。コンビニを出てから、できるだけ暗い場所を選んで、歩きながら飲み干した。
急いで歩くが、チェック済みだったはずの今日の居酒屋が見つからない。
あぁ、もう遅刻だ……とうなだれながら、スマホを操作した。お店を予約してくれた中野さんにSOSを発信する。
中野さんに場所を確認すれば、なんのことはない。もう少し歩いてみればよかっただけだった。焦って大通りから路地に入ってみたりするから、余計に迷ったのだ。
一年以上ぶりの飲み会なのに、みんなを待たせてしまった。なんてダメダメな私。これは、ダンナのせいにできないヤツだ。
大きな溜め息を溢した後、お店の扉を開いた。