最終列車が出るまで


 話してみれば、気さくでさっぱりとした飲んべえが多かった。

 クラス中に小さなお菓子を配りあったり、受講中に二十歳を迎えた女の子のお祝いを、クラスみんなでショートケーキを食べながらしてみたり。

 久々の学生気分も手伝って、人見知りの私でも、思っていたよりずっとみんなと仲良くなっていた。

 講座が終わった時は、寂しかった。明日からは、もうこの教室に通ってくる事はないんだなぁ。みんなとおしゃべりして笑ったり、眉間にシワを寄せながら勉強する事もないんだなぁと。

 打ち上げの飲み会も、みんなでしたっけ。

 その時『アラフォーグループ』と言っていたベテラン女子達と、やはり年に一~二回、飲み会をするようになった。

 もう『アラフォー』と言える年令ではなくなってしまったけど。時間が流れるのは、本当に早い!

幹事が決まっている訳ではなく、誰かの「飲もうよ」の言葉で決まる飲み会。

私の性格から言って、言い出しっぺにはなれない。ごめんなさい。

 そのアラフォーグループの飲み会が、一年以上ぶりに開かれる。

 一月のお正月気分が抜けた頃、いつも幹事役を引き受けてくれる中野(なかの)さんからメールが届いた。『久しぶりにみんなで飲みましょう』と。

 みんなの予定が空いている週末を探したら、二月の後半の金曜日になってしまった。

 先の予定が決まるのは嬉しい。その事を楽しみに、毎日をがんばれるから。

 さっそくダンナに、その飲み会の日だけは「絶対に早く帰ってきて!」と詰め寄った。

 私の勢いに苦笑しながら、「わかったわかった」と頷いたダンナ。



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