一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
高層階の、たぶん…スイートルーム。


『嘘みたい。き、綺麗…』


見たことないもない、あまりにキラキラした夜の世界が眼下に広がる。


ちっぽけな自分の悩み事が、小さく感じられる気がする。


『ここからの夜景、最高なんだ』


『本当に…素敵です。あの…こんな素晴らしい部屋に、私みたいな誰ともわからない女を入れて…大丈夫なんですか?彼女さんか…もしかして奥さんがいらっしゃるなら、きっと…怒ると思います』


私も…


私をフッた彼氏と同じことしようとしてる?


ううん、違う。


私達は、ただ、話をするだけ。


そうだよ。


紅月さんが「2人で話したい」って言ったんだから。


それでも…


やっぱり、ダメ…だよね。


部屋に2人きりでいるのは…


『いない。そんなもの…』


え?


『…紅月さんみたいな人にパートナーがいないなんて、嘘ですよ。ここまで来ておいて、こんなこと言うの変ですけど、やっぱり、こんなの良くないですよ』
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