一夜の奇跡は真実の愛を灯す～副社長の甘い誘惑に溺れて～

『満開だな。このホテルは桜が綺麗なことでも有名なんだ。この場所で、以前、宿泊客がプロポーズをして成功したらしい。それから、ここでプロポーズすれば成功するって言う説が広まったって聞いた。そのプロポーズの作戦を考えたのが、以前このホテルでコンシェルジュをしていた一花さんだったそうだ。絢斗さんは…その一花さんを生涯の妻に選んだ』


桜の花びらが…


ほんの少しヒラヒラと舞い散った。


『桜桃羽…俺は…君を選んだ。そして、君も俺を選んでくれた。こんなにも素晴らしい偶然は…もう2度とないだろう。これからも…俺は、ただ1人、桜桃羽だけを愛し続ける。だから、桜桃羽も…死ぬまで俺だけを見ていてくれ』


ライトアップされた桜の木の下で…


俺は、桜桃羽を抱きしめた。


『私…水瀬 桜桃羽じゃなくて、紅月 桜桃羽になったんだよ。だから、死ぬまで…』


胸が高鳴る。


桜桃羽のぬくもりが…俺の体に伝わって…


『私はあなたを愛してる』