一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
『あの時、桜の咲く1番好きな季節に失恋して本当につらかったけど、そのおかげで私は麗央さんに出会えた。あの奇跡の夜がなかったら、今頃どうなってたかわからない…こんな幸せな時間を過ごせてるのは、麗央さんのおかげだよ』


本当に…想像もしなかった未来。


『桜桃羽がバーに入って来た時の感覚は、今でもよく覚えてる。バイオリンが俺達を結びつけてくれたんだな。あの時…君が見せた涙、忘れられない…』


『麗央さん…』


『これからは、家族が増える。とにかく、俺は絶対に…桜桃羽と生まれてくる子どもを守る。どんなことがあっても、必ず悲しませないから。仕事が忙しい時は…寂しい思いをさせるかも知れないけど…』


私は、首を横に振った。


『大丈夫。麗央さんの愛情と優しさ、私はちゃんと、たくさん受け取ってるから。お仕事大変なのもわかってる。だから、そんなことは気にしないで…体に気をつけて頑張ってね』


麗央さんは、ニコッと笑ってくれた。
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