一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
工藤先生…どうして私なんかをここに呼んだの?


『何か作りましょう。手伝いますよ。土はこれを使って下さい』


十分にコネられた、形を作る前の状態の粘土…


『あ、あの…』


『ここに座って下さい。ろくろを使いましょう』


電動ではない手回しろくろがテーブルに置かれている。


私は言われるままに、その前の椅子に腰を降ろした。


『何を作りますか?お皿はまだでしたよね?お皿にしましょう』


そ、そうだけど…


工藤先生、私を呼んだ理由を話してくれない…


先生のペースにどんどん乗せられて、私、ちょっと…緊張してるよ。


手が少し震えて…


『大丈夫ですか?支えますね、リラックスして…』


そう言われると、余計に…息が荒くなる。


この状況でリラックスなんて…とても無理。


きっと…


この2人だけの空間じゃ、私がドキドキしてること、全て見抜かれてしまうよね。


私の呼吸も、心臓の脈動も…
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