一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
ん?


せっかく向き直った体を、少し横にひねる。


『え…』


呼吸が止まりそうになる。


そこに居たのは、さっきの眩し過ぎるイケメンの男性…


「イケメン」って、このレベルの人に使っていい言葉なの?


もっと…


その上を行く単語って…何?


思わず、そんなバカなことを考えてしまってる自分がいた。


『あ、あの…素晴らしい演奏、ありがとうございました』


とりあえず、ありきたりなお礼の言葉を絞り出した。


一瞬だけ目を合わせては見たけど、やっぱり全然顔を見れない。


男性でこんな綺麗な顔をした人を見たの、初めてだったから…


この状況、どう対処したらいいんだろ?


4月にしてはまだ肌寒い今夜。


なのに、じわっと汗がにじむ。


なぜ、この人は私の側に立ってるの?


何か…文句を言いに来た?


「演奏中ジロジロ見るな!」


とか?


あぁ、どうしよう。


いろんな意味でドキドキが止まらないよ…
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