一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
いつもはしない香り…


とても素敵な、女心を揺り動かすような魅惑的な香りに、私は不覚にもクラクラしてしまった。


私を…


どうするつもり…?


こんな映画みたいなシーン…


冷静でいられないよ…


『せ、先生…あの…私…』


慌てて手をろくろから遠ざける。


その瞬間、お皿に近づきかけた形がグシャッと崩れた。


先生も…私から離れ、そして…言った。


『桜桃羽さん…僕は…あなたを想うと心が痛くなります。教室で会えて近くにいても、僕の気持ちは届かない…だから…今日、ここにあなたを呼びました』


『工藤先生…?』


『あなたが…好きなんです。一生懸命に、ものづくりに取り組む姿勢。その美しい姿に、僕は好感を抱いた。そして、だんだん…桜桃羽さんに惹き込まれて行きました。今はもう、僕の心はあなたで埋め尽くされているんです』


先生は、とても切ない表情を浮かべた。


眼鏡の奥の瞳も潤んで…
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