一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
『工藤先生…私…』


『あなたには、どなたか想い人がいらっしゃるんですか?きっと…素敵なあなたには、素敵な想い人がいるんでしょうね…』


また、切なげに目を閉じる。


『…彼氏は…正直いません。フラれたんで。でも…今、不思議なんですが、その悲しみを忘れさせてくれる人は…います。付き合ってるわけじゃないし、私も誰が好きなのか…それもわからないんです』


『誰が好きか?…複数形ですか?』


『あ…はい』


ハッキリ言ってしまった。


工藤先生、呆れただろうな…


『…嘘を話しても仕方ないですもんね…私は…最近、ある人にたまたま出会って、それから、しばらくして大学時代告白された人にも出会って…そして…工藤先生にも…こんなに優しくされてドキドキしました。私…彼氏にフラれて頭がおかしくなってるのかも知れません。ずっと…その人を信じてたから。今は、自分に優しくしてくれる人に、ただもたれかかりたくなってるだけなのかも…最近は、頭の中がちょっとパニックなんです』
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