一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
でも、胸を押さえるのも緊張を悟られる気がして出来ないし…


私は、何とか、顔だけ冷静を保つように努力した。


『隣、いいかな?』


え!!


と、と、隣いいかな?


思わず同じセリフを心の中で反復してしまった。


『あ、あの…』


何が起こってるのか理解出来ない。


『失礼。俺は…紅月 麗央』


あかつき れお…さん?


宝塚歌劇団のトップスターみたいな名前…


でも、全然名前負けしてない。


むしろ、顔にどハマりの名前。


『紅月…さん』


『女性に声を掛けることに慣れてなくて…唐突ですまない』


嘘…


慣れてないなんて、そんなこと…


こんなイケメンが、どうしてそんな嘘言うの?


私は、ちょっとだけ不信感を募らせた。


『あの…何か?』


あまり馴れ馴れしくしないように、わざと少し冷たい言い方をしてしまった。


『演奏…真剣に聞いてくれてたから…感想を聞いてみたかった』
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