一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
麗央さんが店員さんを呼んでオーダーしてくれたけど、その男性の立ち居振る舞いも洗練された感じで素晴らしかった。


さすが、一流の麗央さんが通うお店だ。


『仕事は…慣れた?』


『…いろいろ波山さんが教えて下さるので、一通りは…でも、細かなことはまだまだ全然これからです。せっかく紹介してもらったんで、頑張りたいんですが…すみません』


『謝らなくていい。波山さんから聞いてる。桜桃羽が頑張ってること』


波山さんが?


『いえ、私は足手まといです。きっと…』


『最初から完璧な人間はいない。もっと自信を持って…君のやりたいようにやればいい』


波山さんが言ってた、麗央さんは厳しい人だって。


でも…


私には…


本当に…優しい。


励ましてくれるのは、まだ失恋の痛手が大きいと思ってくれてるから?


私…


それは、もう…大丈夫かも知れない。


ううん。


大丈夫。


不思議な程、あの人への未練はない。
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