一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
もう目いっぱいドキドキして…


あまりにもキュンとする言葉の連続に、私だって胸が…こんなにも熱くなってる。


今、すぐ目の前にいる人は、大学時代の龍聖君じゃないみたいだ…


『桜桃羽が欲しい…他には…何もいらない』


その言葉に思わず目をギュッと閉じた。


息が…上手く出来ない。


このまま…龍聖君と…


そんなどうしようもなく揺れる感情が、私を支配する。


『桜桃羽…』


『…龍聖…君…』


すぐ側まで近づく唇。


前髪から覗く、龍聖君の綺麗な瞳…


何もかも…


この人に預けようか…


あと、1ミリ…


なのに、


『ダメ!!』


気づいたら、私…


龍聖君を突き飛ばしてた。


それも、結構強く。


思いとはうらはらに動く体…


やっぱり、私は…自分がわからない。


『ごめん…龍聖君』


私は、すぐにドアを開けて部屋から飛び出した…
< 86 / 147 >

この作品をシェア

pagetop