一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
他の誰かじゃなくあなたを~工藤side~
工房で作品を作っていると、ここに桜桃羽さんが座っていたことを思い出す。


優しい香りの素敵な女性…


あんなに綺麗で、可愛らしくて…


陶芸に対しても一生懸命で、真剣で。


その姿を見ていたら、いつしか僕の心は…彼女でいっぱいになった。


初めて…


人を本気で好きになった。


昔から陶芸が好きで、作品を作ってる時は、それに没頭し過ぎて他の事なんて何も頭に入らなかった。


無心でいられる静かな時間…


その時間が…僕は1番好きだったのに…


なのに、今は…


何をしてても桜桃羽さんを思い浮かべてしまう…


今、どうしているのか…


仕事は充実しているか…


心は安定しているか…


体調を崩してはいないか…


そんな風に、ただ彼女を想う自分がいる。


あの可愛らしい笑顔が、僕の心を穏やかにして…


彼女は、僕の1番大切な人になった。
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