一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
『湊先生…今日、私が来た本当の理由…わかりますか?』


『…理由と言われても…』


葉子さんがここに来た理由…


本当は、わかっていた。


でも、それ以上…


何を言われても、僕にはこの人をどうすることも出来ない…


『私、ずっと前から湊先生のこと…』


『すみません…葉子さん。僕は…あなたの気持ちに答えることは出来ません』


『…やっぱり、わかってるんですね。私の湊先生への想いを…』


葉子さんは、熱い眼差しで僕を見た。


『僕にとって、あなたは陶芸教室の大切な生徒さんです。僕は…そういう風に思っています』


『私のこと、ただの生徒としか思えないってことですか?』


その眼差しは、鋭さを増した。


『そう思って下さい…』


『もしかして、先生は…桜桃羽さんのこと…好きなんですか?』


突然、桜桃羽さんの名前を言われてハッとした。
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