一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
でも、やっぱり…


彼女がいる人だから、そんな関係、ズルいよね…


『早くな!もう行かないとダメだから。車出して待ってるから、下、降りて来て』


それだけ言って、エレベーターの方に走って言った。


私の答えを聞かずに行くなんて…


『もう…』


とにかく…私は、言われるままにバッグを持って外に飛び出した。


5月の終わり…


1番好きな桜の季節は、失恋と共に足早に過ぎ去り、もうすぐ梅雨を迎えようとしてる。


半ば強制的に車に乗せられ、私が連れて行かれたのは、龍聖君が働くサッカー教室だった。


全天候型、雨でも大丈夫な広々とした施設。


ユニフォームを来たたくさんの子ども達が、そこで練習していた。


『ここで見ててよ』


龍聖君は、練習場の外にある、保護者が座って見学出来る場所を指差した。


『あ…うん。わかった』


って、わかったような、わかってないような…
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