一夜の奇跡は真実の愛を灯す～副社長の甘い誘惑に溺れて～

龍聖君…


意外としっかりしてる…


先生…って感じがする。


『大和先生、私は事実を言ってるだけです』


相変わらず、山科さんの口調はキツい。


『2人はどういう知り合い？』


当たり前のように浮かぶであろう疑問。


それに、私は答えた。


『私、山科さんと同じ陶芸教室に通ってるの。翔吾君も時々、教室に遊びに来てくれるんだけど。サッカーしてるって聞いてたけど、まさか、龍聖君のところで習ってるなんて…』


本当に…幾重にも重なる偶然に驚かされる。


『全く…こうも重なると怖いわね。会社の上司に、陶芸教室の先生に、大学の友達にって…どれだけ男に手を出せば気が済むのかしら』


『山科さん、そんな言い方…』


思わず、全身から血の気が引く。


『山科さん、ここは子ども達の練習場ですよ。そういう言い方はしないで欲しいです。ごめん、桜桃羽。もう行かないと。とにかく…ここで待ってて。山科さん、彼女にこれ以上何か言うのは、絶対に止めて下さい』