幼なじみ

また歩く足音が廊下に響く。



だけど今度は私と皇、二人分の足音。




「お、皇?」




斜め左下から見える皇はなんだか怒ってる気がして、

声を掛けてみるけど反応が無い。



???



どうしたんだろ?




言葉で返してくれないものの、

皇の左手には力が入っていて、

私の右腕はキリキリと痛む。




「あのっ皇?」



「………」



「皇っ! 皇ってばっ!!」




半ば叫ぶような形で皇の名前を呼ぶ。




「え?」




やっと皇は気づいたらしくて、

私の方に振り向いてくれる。





< 41 / 93 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop