幼なじみ
やっと気づいてくれた皇に
「あの、腕痛いんだけど……」
って言うと皇が焦ったように
「ごめん!」
って言いながら手をほどく。
「大丈夫か?
……って赤くなってるじゃん!
ごめん、ほんとごめんっ!」
私の腕が少し赤くなってるのを見て皇が必死に謝ってくる。
「大丈夫だよ。
赤くなってるって言ってもちょっとだし。
大丈夫(ニコ)」
本当はちょっと。
ちょーっとだけ痛かったけど、言わない。
皇には心配かけたくないから。
私のことで、困って欲しくないから。
皇が困って、考えるのは沙妃のことだけでいいから。