カレシとお付き合い① 辻本君と紬
♢ オレは待つよ
♢
サッカーのマネージャーは、部員のカノジョがなる。
それはみんな何となく知っているから、私が辻本君とまだ付き合ってないのは、周囲は気になるみたいだった。
しかも、
「返事してないんだってねー」
と、クラスメイトにも言われた。
少し噂になっているみたい。
辻本君じゃなくて、私の方が思わせぶりな事しているって。
まいちゃんも不思議に思うらしい。
クラブ中。
荷物を持ってグラウンドを歩いていた。
みんなだって重くても頑張ってるんだからと思うが、ナイロンが手首に食い込んできて切れちゃいそう。
ぜったい赤く輪みたいになりそう、痛⋯⋯ 。
涙目になっていたら、急に影が落ちてきて、フッと手が楽になった
顔をあげたら辻本君の顔が間近に見え、ブワッと血が上る。
「大丈夫?」
あわてて、首だけふる、大丈夫ですって!
「持ってってやるよ」
なんか、じーんと心にあたたかさが広がる
「困ったら、いつでもオレに言えよ」
さらに、優しい言葉を言ってくれる。
じわってうれしい。
夕方のグラウンドは、かたむいた夕日に赤くそまって、少し夜の風を感じる。
前を歩く辻本君。
あんなに重かった荷物を、軽く片手で持って、しっかりと潔く前を見て歩く。
彼の気持ちの強さや、自信、優しさがにじみ出て、背の高い彼の体操服の背中を見たら心が痛い。
サッカーのマネージャーは、部員のカノジョがなる。
それはみんな何となく知っているから、私が辻本君とまだ付き合ってないのは、周囲は気になるみたいだった。
しかも、
「返事してないんだってねー」
と、クラスメイトにも言われた。
少し噂になっているみたい。
辻本君じゃなくて、私の方が思わせぶりな事しているって。
まいちゃんも不思議に思うらしい。
クラブ中。
荷物を持ってグラウンドを歩いていた。
みんなだって重くても頑張ってるんだからと思うが、ナイロンが手首に食い込んできて切れちゃいそう。
ぜったい赤く輪みたいになりそう、痛⋯⋯ 。
涙目になっていたら、急に影が落ちてきて、フッと手が楽になった
顔をあげたら辻本君の顔が間近に見え、ブワッと血が上る。
「大丈夫?」
あわてて、首だけふる、大丈夫ですって!
「持ってってやるよ」
なんか、じーんと心にあたたかさが広がる
「困ったら、いつでもオレに言えよ」
さらに、優しい言葉を言ってくれる。
じわってうれしい。
夕方のグラウンドは、かたむいた夕日に赤くそまって、少し夜の風を感じる。
前を歩く辻本君。
あんなに重かった荷物を、軽く片手で持って、しっかりと潔く前を見て歩く。
彼の気持ちの強さや、自信、優しさがにじみ出て、背の高い彼の体操服の背中を見たら心が痛い。