カレシとお付き合い① 辻本君と紬
♢ オレが告っただけ
♢
翌朝。
目がはれぼったいまま、遅刻ギリギリに教室に入った。
辻本君がいた。
さっと自分の席に座る。顔が見れない。
1時間目が終わった瞬間、まいちゃんと岡本君に、
「昨日! あれからなんかあった⁈ 」
と勢い込んで聞かれ、冷や汗が出る。
私、言えないよ。
隣から辻本君が、
「何もないよ」
と前を見ながら言った。
まいちゃんと岡本君が辻本君を見た。
辻本君は、
「俺が告っただけ」
と言ったので、その瞬間かーっと体温が上がった。
《オレにしとけよ》
《オレが1番、紬のこと好きだよ》
何度も何度も、辻本君の言葉ばっかりが頭の中にいっぱいで他の事を考えられない。
しかも私の事は一切話さず、潔く「オレが告っただけ」ってみんなの前でかばってくれる。
何かいろいろ、頭がグシャグシャで、涙ぐんでたら、まいちゃんが、
「ちょっと紬、真っ赤だよ」
と驚かれた。
辻本君がチラッとこちらを見た。
隣の席から手を伸ばして、彼に頭をなでられた。優しい手。私はうつむいてしまった。
彼のこんな優しさやあたたかさを、私は受け取れない。
まいちゃんが、うわうわっ!と興奮しながら、ほかのメンバーに話に行った。
辻本君はまだ私を見ていた。
翌朝。
目がはれぼったいまま、遅刻ギリギリに教室に入った。
辻本君がいた。
さっと自分の席に座る。顔が見れない。
1時間目が終わった瞬間、まいちゃんと岡本君に、
「昨日! あれからなんかあった⁈ 」
と勢い込んで聞かれ、冷や汗が出る。
私、言えないよ。
隣から辻本君が、
「何もないよ」
と前を見ながら言った。
まいちゃんと岡本君が辻本君を見た。
辻本君は、
「俺が告っただけ」
と言ったので、その瞬間かーっと体温が上がった。
《オレにしとけよ》
《オレが1番、紬のこと好きだよ》
何度も何度も、辻本君の言葉ばっかりが頭の中にいっぱいで他の事を考えられない。
しかも私の事は一切話さず、潔く「オレが告っただけ」ってみんなの前でかばってくれる。
何かいろいろ、頭がグシャグシャで、涙ぐんでたら、まいちゃんが、
「ちょっと紬、真っ赤だよ」
と驚かれた。
辻本君がチラッとこちらを見た。
隣の席から手を伸ばして、彼に頭をなでられた。優しい手。私はうつむいてしまった。
彼のこんな優しさやあたたかさを、私は受け取れない。
まいちゃんが、うわうわっ!と興奮しながら、ほかのメンバーに話に行った。
辻本君はまだ私を見ていた。