カレシとお付き合い① 辻本君と紬
♢ ノーカウント
♢
先輩を塾の前で待った。
茶色い長い髪の毛の女子と2人で楽しそうに出てきた。
最初、私がわからないみたいだった。
私も、この人かな? ってわからないぐらいだった。顔もよくわからない。
「すみません、」
と、そのまま通り過ぎそうな先輩に、何とか声をかけたら、驚いた顔をした。
彼女に何やらこそこそ言って、彼女と2人でこっちに向いた。
「何? 用事? 」
と言われた。
「えっと、⋯⋯ 」
何だか上手くしゃべれない。
ダメだ。
私。
自分のためにちゃんとしないとダメだよ。
すると、先に先輩が馬鹿にしたように笑った。
「もしかして、あの時の子? まさかね。とっくに無効だろ? 卒業式の送辞みたいなもんだよ」
「で、でも⋯⋯ 」
なんとか声を出した。
「でも先輩、ちゃんと言わなきゃだめだと思います」
「めんどくさ! 」
ぐさっと見えない気持ちで切られたように思った。
「そ、卒業式の日のこと、どうしますか? 取り消しますか? それとも⋯⋯ 別れますか? 」
「ないだろー」
先輩は、吐き捨てるように言った。
「おかしいんじゃないの? そーゆー、正義感? 私ちゃんとしてますっての? キモいよ」
隣の女子が「なになに? 」と聞いた。
「いや、卒業式の日にノリで付き合う? っつって、それ以来、一言も話してないし、連絡先すら知らないのよ。まいっちゃうよ。顔もわからないっつーの」
「何それー、フツー察するじゃん、うわ、怖〜」
それから、紬をにらむみたいに、さも嫌そうに言われた。
「わかったよ。取り消すどころか、何もなし。妄想。はい、おしまい。受験のジャマしないでください、はい」
「はーないわー」と、馬鹿にしたように言いながら、2人は行ってしまった。
涙も出ない。
何だったんだろう、私の半年。
先輩を塾の前で待った。
茶色い長い髪の毛の女子と2人で楽しそうに出てきた。
最初、私がわからないみたいだった。
私も、この人かな? ってわからないぐらいだった。顔もよくわからない。
「すみません、」
と、そのまま通り過ぎそうな先輩に、何とか声をかけたら、驚いた顔をした。
彼女に何やらこそこそ言って、彼女と2人でこっちに向いた。
「何? 用事? 」
と言われた。
「えっと、⋯⋯ 」
何だか上手くしゃべれない。
ダメだ。
私。
自分のためにちゃんとしないとダメだよ。
すると、先に先輩が馬鹿にしたように笑った。
「もしかして、あの時の子? まさかね。とっくに無効だろ? 卒業式の送辞みたいなもんだよ」
「で、でも⋯⋯ 」
なんとか声を出した。
「でも先輩、ちゃんと言わなきゃだめだと思います」
「めんどくさ! 」
ぐさっと見えない気持ちで切られたように思った。
「そ、卒業式の日のこと、どうしますか? 取り消しますか? それとも⋯⋯ 別れますか? 」
「ないだろー」
先輩は、吐き捨てるように言った。
「おかしいんじゃないの? そーゆー、正義感? 私ちゃんとしてますっての? キモいよ」
隣の女子が「なになに? 」と聞いた。
「いや、卒業式の日にノリで付き合う? っつって、それ以来、一言も話してないし、連絡先すら知らないのよ。まいっちゃうよ。顔もわからないっつーの」
「何それー、フツー察するじゃん、うわ、怖〜」
それから、紬をにらむみたいに、さも嫌そうに言われた。
「わかったよ。取り消すどころか、何もなし。妄想。はい、おしまい。受験のジャマしないでください、はい」
「はーないわー」と、馬鹿にしたように言いながら、2人は行ってしまった。
涙も出ない。
何だったんだろう、私の半年。