余命38日、きみに明日をあげる。

学校へ戻り、お弁当を食べてお昼休み。

朝は憂鬱そうだったクラスメイト達も、達成感か解放感からかわからないけど、今はどの顔も晴れ晴れしていた。

「一花おめでとう!」

クラスの主役は、学年トップの一花。一花を取り囲み、みんなが口々に声をかける。

男子はまだ元気が有り余っているのか、ほとんどの人達がいつものように外に出払っている。琉生も。

「最後の上り坂さ~、めっちゃきつかったよね~」

「ほんとほんとー、あそこマジで死にそうだった~」

「私はさすがに歩いたわ」
 
みんなが同調するのは、私にはわからない話。

会話に参加できないでいると、自然と輪からはじき出され、私は人知れず教室をそっと出た。

上履きのまま裏庭に出て、校舎の壁に背を付け息を吐きだした。

「ふう~」
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