余命38日、きみに明日をあげる。
見上げた空は、白に限りなく近い青だった。冬の空って感じ。
空はどこまで続いているのだろう。
ずっと見続けていると、吸い込まれてしまうのではと思えてくる。
……このまま私を吸い込んでくれたらいいのに。
このまま消えてしまいたい。そんな衝動にかられた。……願わなくても、私はあと数年で消えるのに。
私は、なんのために生きているんだろう。
すべての人は、生まれた瞬間から死に向かっているとは言うけれど、期限を知りながらとそうでないのではやっぱり違うと思う。
消えたいと思ったくせに、本当に消えてしまうと思ったら、怖くてたまらなくなった。
私はいつからこんなに弱くなったのかな。
ううん、弱くなったんじゃなくて、もともと強くなんかなかったんだ。
私はいつだって琉生に守られていて、それに甘えていただけなんだ。
『だから佐久間くん、彼女作れないんだよ』
ずっと思っていたことを言葉にされて、頭をガツンと殴られたような気分だった。