余命38日、きみに明日をあげる。

本当なら、今頃可愛い彼女でもいて、サッカーをしながら青春を謳歌していたはずの琉生。

私は、どこまで琉生を縛りつけているんだろう。

自分の存在が憎くて、グッと歯を食いしばったとき。

「みーつけた」
 
……顔を上げれば、そこには大好きな琉生の顔があった。

どうしてここに琉生が……? 

「莉緒、お疲れさま」

状況が飲み込めない私の頭の上にポンと手をのせ、続けて渡されたのは白いカード。

首を傾げれば「ん、」と再び突き出された。

よく見ると、そこには「①」と書かれている。

……これは、もしかして。

『今日の莉緒、一等賞だったよ』
 
小学校の運動会。徒競走ではみんな小さな賞状をもらえていた。

1位~3位までは順位が書かれていて、4位以下は「がんばりましたで賞」

なにももらえない私に、琉生が自分の賞状を初めてくれたのは、3年生の時。

すごくうれしかった。

小学校を卒業するまで、琉生は私に一等の賞状をくれ続けた。それは今でも私の宝物。
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