余命38日、きみに明日をあげる。
琉生の言葉が、擦れた私の心のとげとげを取り払ってくれる。
傷口を、癒してくれる。
「だから、はい」
「いいの……?」
「当たり前だろ。今日の莉緒は誰よりもがんばってた。一等賞だよ」
「……ありがとう」
少ししわくちゃになったそれは、まるで宝石のように輝いて見えた。
込み上げてくる涙をグッとこらえて、私はその紙を大切に手のひらに包み込んだ。
突然教室からいなくなったことを、一花から聞いたのかもしれない。
居ずらかった私の気持ちを察して、探しに来てくれたの……?
「琉生……」
「ん?」
好きで好きでたまらないよ。
だけど、この想いは伝えられない……。
「なんでもない」
「なんだよそれっ」
太陽みたいな笑顔でははっと笑った琉生は、私の頭をくしゃくしゃとなでた。
大好き、琉生。
だから私は、今日も願うんだ。
どうか、琉生が幸せになってくれますようにと。