余命38日、きみに明日をあげる。
***
「どうやら違ったようだな」
冷え込んだ深夜、いつものように現れたトーヤが淡々と告げた。
細身の体に薄手のコートが寒々しいが、死の神は寒いという概念があるんだろうか。
「違った、って?」
「本人の願いが叶えられた場合、リストの名前が薄くなる」
「は?」
「薄くなってないということは、倉木莉緒の願いじゃなかったんだろう」
「えっ!」
次に声をあげたのは、今日はトーヤに遅れを取らず一緒に現れたナオ。
気まずそうな顔をして、俺を見る。
「てことは、サクラに会いたいってのは、違ったのか」
「そのようだな。70番が余計なことをした」
チラリと後ろに目をやるトーヤ。
そこには、フードをはがして、反省しきりといった様子で米つきバッタのようにぺこぺこ頭を下げるナオがいた。
「どうやら違ったようだな」
冷え込んだ深夜、いつものように現れたトーヤが淡々と告げた。
細身の体に薄手のコートが寒々しいが、死の神は寒いという概念があるんだろうか。
「違った、って?」
「本人の願いが叶えられた場合、リストの名前が薄くなる」
「は?」
「薄くなってないということは、倉木莉緒の願いじゃなかったんだろう」
「えっ!」
次に声をあげたのは、今日はトーヤに遅れを取らず一緒に現れたナオ。
気まずそうな顔をして、俺を見る。
「てことは、サクラに会いたいってのは、違ったのか」
「そのようだな。70番が余計なことをした」
チラリと後ろに目をやるトーヤ。
そこには、フードをはがして、反省しきりといった様子で米つきバッタのようにぺこぺこ頭を下げるナオがいた。