余命38日、きみに明日をあげる。
***

それから数日後の放課後。

「莉緒ちゃーん、部活行こう!」

今日はスイーツ同好会の日。

決まって歩美ちゃんは私を誘いに来てくれる。

「うん、今行くー」

席を立ってカバンを肩にかけた時、体が後ろに引っ張られた。

琉生だ。

「ん? なに?」

「部活終わったら一緒に帰ろ」

私が部活がある日は、終わる時間がだいたい同じだから一緒に帰っているのだ。

琉生にとっては、特別なことでもなんでもない。

「うん」

嬉しさは隠して返事をして、私は歩美ちゃんの元へ向かった。

「お待たせ!」

「ねえ、莉緒ちゃんは誰のために作るか考えてきた?」

ウキウキしながら問いかけられる意味がよく分からなくて、

「え?」

なんのこと? と、首を傾げれば、少し顔を赤らめた歩美ちゃんの顔があった。

「この間プリント見せたでしょ? 今日のテーマは、大切な人へのお菓子だって」

「あっ!」
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