余命38日、きみに明日をあげる。

そういえば、プリントもらってたっけ。すっかり忘れていた。

作りたいものがある人は、材料やラッピングなど自由に用意するようにとも書かれていた。

「莉緒ちゃん、もしかして忘れてた……?」

「う、うん」

「えーっ!」

「どうしよう。せっかくプリントをくれてたのに……」

「特別ない人は、みんなでマフィンを作るって言ってたから大丈夫だよ!」

歩美ちゃんに慰められながら家庭科室へと向かう。

「そうなんだ、安心した……」

琉生に作ろうと思ってたのに、どうしようかな……。

頭を悩ませている横で、歩美ちゃんがもじもじしながら言った。

「私、お菓子がうまく作れたら、琉生くんに渡そうと思うの」

「えっ!?」

それって、告白するってことかな。

きっとそうだ。お菓子を渡すということは、想いも一緒に告げるのだろう。

「今このテーマになったのも、私に一歩踏み出せって言っている気がするんだよね」
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