余命38日、きみに明日をあげる。
「わあすごい!」
「歩美ちゃん、本格的すぎるよ!」
みんなが歩美ちゃんの周りに集まり、歓喜の声を上げた。
そこには、キレイなマカロンが並べられていた。
用意していた箱に丁寧に詰めれば、もう、洋菓子店のマカロンと遜色はない。
ストロベリー、ショコラ、バニラの3種類。こんな短時間でこれだけのクオリティのものが作れるなんて、さすが。
今日のために、たくさん予行練習してきたみたい。
「歩美ちゃん、すごいね!」
こんな素敵なお菓子を琉生がもらえるなんて、私まで嬉しくなる。なんだか、もう完全に兄妹目線になっているけれど。
「ケーキ屋の息子に手作りのお菓子を渡すって、なかなか勇気いるよね」
自嘲気味に笑う彼女に、私は思いっきり首を横に振る。