余命38日、きみに明日をあげる。
「おいおい、今日も一緒に帰るのか?」
「やっぱつき合ってんだろお前ら」
こんな冷やかしにも慣れたもの。
「ちげーよ」
即座に否定する琉生にも。
みんな幼なじみと知っているのに、毎度毎度飽きもせず冷やかしてくる。
そんな彼らに軽く頭を下げて、聞かれないように、こそっと伝えた。
「同好会で一緒の歩美ちゃん、わかる?」
「あー……、いつも教室に迎えにくる子だろ?」
「うん。その子がね、琉生に話があるんだって」
歩美ちゃんが待っているのは、同じ1階にある3年生の教室。私は、そちらの方向を指さす。
「え? なにそれ」
眉をひそめる琉生。
でも、告白のことを私から言うわけにはいかない。
琉生も、こんなの何度も経験があるんだから察してほしい。
でも無理もないか。
今まで、私が告白に絡んだことはないんだから。
「てことで、私は先に帰るね」
「なんでだよ。話が終わったら一緒に帰ればいいじゃん」
当然のように言われて困ってしまう。