余命38日、きみに明日をあげる。
まだ安静にしてなきゃいけないのは、熟知している。私は、乱れそうになった呼吸をゆっくり整えた。
「莉緒ちゃんはまだ目を覚ましていなかったし、学校もあるからってことで、莉緒ちゃんのお母さんが帰るように言ったみたい」
「そうなんだ……」
琉生は、私の幼なじみ。
発作で運ばれるたびに、琉生が救急車の後を追いかけるようにして病院に来るようになったのはいつからだろう。
いくら自転車で20分の距離だからって、そこまでしてくれることないのに。
申し訳ないと思いながら、正直な気持ちを言えば嬉しい。
今日みたいに会えない時もあれば、会える時もある。目が覚めた時に琉生の顔があると、すごくホッとするから。
「会いたかった~?」
「へっ?」
「思いっきり顔に書いてあるわよ」
「も~、からかわないで下さいよ~」
恥ずかしくて、私は両手で顔を覆った。