余命38日、きみに明日をあげる。

トーヤからの助言

次の日は、莉緒といつものように一緒に登校したけれど、会話は「おはよう」の一言だけだった。こんなのは、初めてだ。
 
なんとなく隣に並んで、気まずいまま無言で15分歩いて。

昇降口に入ればダチに声をかけられて、自然と離れていく……。

「よーっす!」

「あれー? 琉生、今日なんか機嫌悪い?」

むしゃくしゃした気持ちが駄々洩れだったのか、会ったばかりの奴らにまでそう
言われる始末。

教室に入ると、すぐに陸乃進が俺の所へやって来た。

「おい、昨日なにこそこそやってたんだよ」

陸乃進が俺の脇腹をつついて冷やかしてくる。

あれだけ人のいる昇降口で呼び出しなんかされれば、イヤでも目立つ。

ちょうど告白を終えて二人で出たところに、バスケ部がぞろぞろやってきて、陸乃進に見られたのだ。

「1組の椎名さんだろ? つき合うのか?」

「……断ったし」

「だよなー。お前、莉緒ちゃん一筋だもんなー」

「おいばかっ!!」
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