余命38日、きみに明日をあげる。
「お前も罪な男だよなー」
「……」
「そんなんじゃ、莉緒ちゃんほかの男にとられちまうぜ? バスケ部でもよく話題に出るし。それでもいいのか?」
好き勝手言う陸乃進が、いよいよ俺の腕を揺さぶり。
「……るせーなっ……!」
反射的に声を荒げ、振り払っていた。
あっ、と思った時にはすでに遅し。
「って……」
俺の手が、陸乃進の目を直撃してしまったようで、手で目を覆う陸乃進。
教室内が、シン……となり、注目を浴びる。
そこへちょうど莉緒が戻ってきて、ドアのところで足を止め、驚いたような顔で俺
を見ていた。
「陸乃進……悪い……」
それだけ言って、俺は逃げるように教室を出て行った。
莉緒の視線が、痛いほど背中に突き刺さっていた。
サボるなんて初めてだ。東高の星扱いされていて、窮屈だったからちょうどいい。
屋上へ続く階段を上る。