余命38日、きみに明日をあげる。

もとはと言えば、トーヤが現れてから俺の日々は狂い始めたんだ。

「情けねえな」

同情してくれるのかと思いきや、トーヤはふんっと鼻を鳴らす。

もともとそんな奴だとは思っていたし、ダメージなんてないが。

太陽の下で見るトーヤは、いつもと違って見えた。

いつも青白いのは、人工の明かりに照らされていたからなのか、今日のトーヤは、いつもより健康的に見えた。

格好さえのぞけば、俺のダチだと言ってもおかしくないだろう。

背も高く、スタイルもいい。

フードから覗き見える横顔も、どこか日本人離れした凹凸はあるが、それはイケメンってことなんだろう。

年は、俺と同じか少し年上くらいだろうか。

この姿は、前世で亡くなったときの年なのだろうか。

「なあ、莉緒の叶えたい願いって、なんなんだろうな」

そんなのもわからないなんて幼なじみ失格だ。
< 151 / 288 >

この作品をシェア

pagetop