余命38日、きみに明日をあげる。
もとはと言えば、トーヤが現れてから俺の日々は狂い始めたんだ。
「情けねえな」
同情してくれるのかと思いきや、トーヤはふんっと鼻を鳴らす。
もともとそんな奴だとは思っていたし、ダメージなんてないが。
太陽の下で見るトーヤは、いつもと違って見えた。
いつも青白いのは、人工の明かりに照らされていたからなのか、今日のトーヤは、いつもより健康的に見えた。
格好さえのぞけば、俺のダチだと言ってもおかしくないだろう。
背も高く、スタイルもいい。
フードから覗き見える横顔も、どこか日本人離れした凹凸はあるが、それはイケメンってことなんだろう。
年は、俺と同じか少し年上くらいだろうか。
この姿は、前世で亡くなったときの年なのだろうか。
「なあ、莉緒の叶えたい願いって、なんなんだろうな」
そんなのもわからないなんて幼なじみ失格だ。