余命38日、きみに明日をあげる。
「ねーねー、陸乃進。さっきなにがあったの?」
一花が、そばに座っていた陸乃進くんの肩を揺さぶった。
「知らねえ。なんか最初からイライラしてたけど」
陸乃進くんも、わけがわからないって顔をしている。
けれど、ずっと気になっていたみたいでいつもの元気がない。
無理もない。
二人はずっと仲良しで、冗談でもあんなことなかったんだから。
どことなく気落ちしている陸乃進くんに、一花が大げさに言う。
「また陸乃進が変なこと言ったんでしょ!」
「言ってねーって…………ちょっとしか……」
語尾が弱くなり、気まずそうな視線を私に向けてくる陸乃進くん。
「やっぱ言ったんじゃないの!」
一花に怒られた陸乃進くんは、しおらしくしゅんとする。
「悪い。俺、余計なこと言ったかも」
そして、素直に私に向かって謝ってくるから、私は「ううん」と首を振る。
それでも、陸乃進くんは罰が悪そうに続けた。